確率・統計の勉強 #6 ガンマ関数とベータ関数(積分計算の練習)
藤田 岳彦「弱点克服大学生の確率・統計」:
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問題
問題35 ガンマ関数とベータ関数 より
以下を求めよ。
(1)
(2) のとき,
(3)
(4)
(5)
連続確率分布の性質を詳しくみる際に,ガンマ関数とベータ関数が必要になってくる。そこで,今回は簡単な計算問題を通して,ガンマ関数とベータ関数の特徴をおさえていく。積分計算の練習にもどうぞ。
解法
ガンマ関数(1)(2)
定義
定義をみると難しそうであるが,実は階乗を複素数にまで拡張した概念である。
基本的性質として
(部分積分により証明できる)
が成り立つことから,sが自然数の場合
が成り立つ。
よって,
(1)
が正規分布の基礎として重要である。なお証明については
の積分値の計算などを参考にするとよい。
(2)
は偶関数であり,y軸対称のグラフとなるため,
と置換すると,,(合成関数の微分より)となるので,
ここではガンマ関数の定義よりとなるので,
となる。
ベータ関数(3)~(5)
定義
これもまた難しそうであるが,特殊な例に
いわゆる「1/6公式」がある。
参考:
ベータ関数とガンマ関数との間には,次の関係がある。
これより,
(3)
ベータ関数の定義式は,変数変換することで別の形で表すことができる。
例:
- (と置換,)
- (と置換)
(4) 変数変換1.より
ガンマ関数に変換して
(5) 変数変換2.より
ガンマ関数に変換して
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