金匱要略と現代漢方との比較 #1 本記事の流れ,第1章 臟腑經絡先後病脈證
傷寒論の次の題材として,同じく約2000年前の中国医学の古書である「金匱要略」を扱うことにする。
金匱要略とは
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%8C%B1%E8%A6%81%E7%95%A5
傷寒論と同じく張仲景により編纂された医学書で,こちらは今でいう慢性病に対する処方について書かれている。漢方医学における三大古典の一つであり,現在でも金匱要略に収載された処方が数多く活用されている。
本記事の進行について
内容
傷寒論と同様の進行。
参考文献
本文については以下を参考にした。
解説については,主に以下を参考にした。
現代での適用については,厚生労働省医薬・生活衛生局「一般用漢方製剤製造販売承認基準(平成 29 年4月 1 日)」を参考にした。
医療用漢方製剤については,日本漢方生薬製剤協会「医療用漢方製剤 2016 -148 処方の添付文書情報(2016.12.12)」を参考にした。
基礎知識
傷寒論のときの記事を参考。
第1章 臟腑經絡先後病脈證
ここでは基本理論について書かれている。例えば冒頭では
問曰:上工治未病,何也?師曰:夫治未病者,見肝之病,知肝傳脾,當先實脾,四季脾王不受邪,即勿補之。中工不曉相傳,見肝之病,不解實脾,惟治肝也。
とあり,これは未病の考え方について肝の病を例に説明している。ほかに陰陽五行論や四診についての説明が続く。また証に対する臨機応変な治療を要求する。
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