確率・統計の勉強 #11 ランダムウォークの計算
藤田 岳彦「弱点克服大学生の確率・統計」:
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今回は,確率過程の入門として重要な「ランダムウォーク」の計算を扱う。ここで条件付き期待値について慣れておきたい。
問題
問題61より
は独立で同分布で,とし,また,,のときにと定めたとき,次の値を求めよ。
(1)
(2)
(3)
(4)
解法
ランダムウォークとは,「一定時間ごとにランダムな方向に移動するものを数学的にモデル化したもの(はてなキーワードより)」 である。問題を例えると,t回コイン投げをして,表なら1,裏なら-1を足していった値がである。
なお,ここで扱うランダムウォークは「対称単純ランダムウォーク」である。
(1)
ここで,他も同様なので,
(2)
はが決まるとただ一つの値に決まるため,
またとは独立なので,
(1)よりなので,
(3)
ここで,として,
が成り立つことが知られており,
について,「tまでの試行結果からのの期待値」に等しいことがわかる。このような性質をマルチンゲールという。これは「公平な賭け」の抽象化したものである。
(4)
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